企業コラボが生んだ転売屋のハナシ
とあるオタクコンテンツと、とあるデパコスのコラボが昨日から始まった。
両社に非があるとは思っておらず、分かるひとに通じれば良いので、コンテンツ名と化粧品メーカー名は伏せる。
以下にコラボの概要のみ簡単に記載する。
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〈コラボグッズプレゼント〉
リップ1本購入 → ポスカ1枚 + 缶バ1個
リップ1本+商品を3,000円(税抜)購入 → ポスカ1枚 + 缶バ2個
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リップ1本+ 商品を27,000円(税抜)購入 → ポスカ1枚 + 缶バッジ10個
※缶バの上限は一人10個まで(約3万円)
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オタクコンテンツとデパコス。
発表されたときの我々の動揺は大きかった。
それはTL (タイムライン)に如実に現れており、「●●くんのリップがブルベ春っぽい」などという迷言を残すオタクがいたところからしても大いに察せられる。
そして今朝、開店前から並んだ私は転売の実態を目撃して衝撃を受けた。
その衝撃を消化するためにこれを記している。
もちろん、それなりにオタク歴があるので今までも転売屋を目にしたことはある。
そんな私が衝撃を受けたのは、今回の転売屋がよくライブ会場前でよく見かけるような小汚いおじさんでも、電気屋やブランドショップで見る隣国の方でもなかったからだ。
その2人組は、綺麗な若い女の子2人組だった。
開店前に10人目くらいに並んだ私よりも早く来ていた2人だった。
イマドキの綺麗めの服装をしたふわふわした子たちで、彼女たちが2人とも上限枚数の整理券を手にしたときも、「▲▲(メーカー名)が実質タダなのやばいよね」と笑い合っていたときも、私は彼女たちが転売屋だとは思わなかった。
だって今回の企画って、缶バッチ買ったらデパコスついてくるやつじゃん?(違う)
列に並んだ彼女たちは、キャラの名前をださずにレートについて話し始めた。
「これとこれが人気なんでしょ」「こっちも高いらしいね」
この会話を耳にして初めて、私は彼女たちに違和感を持った。
彼女たちの番がきて、カウンターで注文するかと思いきや、2人は数少ないBAさんに店内の数多くのテスターを持ってこさせて吟味を始めた。
この混雑しているときに、である。
他のオタクたちは缶バッチを得るため、リップの色は推し色もしくは似合う色で決めてきて、ほしい缶バッチの個数に合わせて購入する商品を予め決めてきており、会計はかなりスムーズだった。
そんな中で、彼女たちは異色だった。
上限金額まで大量に買ったデパコスは自分たちのものにし、コラボ品である缶バッチとポスカを転売して利益を得る(=デパコスを実質無料で手に入れる)転売屋の姿がそこにあった。
あれだけテスターを試すということは、彼女たちは普段は違うブランドのコスメを使っているのだろう。
愛用ブランドでなくとも、デパコスが実質無料(どころか缶バッチの引きが良ければ利益が出る可能性もある)となるとコラボコンテンツをよく知らなくても(恐らく人気コンテンツであることくらいは知識がある。他界隈のオタクかもしれない。)朝から並ぶのだ。
オタク産業のパワーは昨今注目されるところであり、今後も様々な企業とのコラボが企画されていくと思う。
そして、その度に転売することで無料で商品を手に入れようとする新しい転売屋を生んでいくのだろう。
そう考えて切なくなったが、よく考えなくても一般人にとってはポスカと缶バが「おまけ」なのだから本来はそれが正しい形なのかもしれない。〜終〜